一時的な感情表現ではなく、長時間のイカ耳や不自然な傾きが続く場合は、単なる心理状態ではなく耳や神経の疾患を疑う必要があります。
1. 外耳炎・耳ヒゼンダニ感染症
耳道内にマラセチア菌や細菌が繁殖する外耳炎、あるいはミミヒゼンダニの寄生が起きると、激しい痒みと痛みが生じます。黒褐色や黄色のネバついた耳垢が溜まり、耳を常に倒したまま後ろ足で頻繁に掻いたり、頭を激しく振る動作(ヘッドシェイク)が見られます。
2. 前庭疾患・ホルネル症候群・中耳炎
平衡感覚を司る前庭神経に異常が起きると、首が片側に傾く「斜頸(しゃけい)」とともに、片耳だけが常に倒れた状態になります。歩行時にふらつく、眼球が小刻みに揺れる(眼振)などの症状を伴う場合は、緊急性の高い神経障害の可能性があります。
3. 耳血腫(じけっしゅ)
痒みや違和感から頭を激しく振り続けたり耳を掻きむしることで、耳介内部の毛細血管が破綻し、耳の中に血液が溜まってパンパンに腫れ上がる疾患です。耳の軟骨が変形する前に迅速な動物病院での排液・外科処置が求められます。