彼女の足跡を語る上で欠かせないのが、歌舞伎町という欲望の渦だ。プレイヤーとしてトップに上り詰めた後、自ら組織を率いるべく設立したのが株式会社桜井だった。同社が手がけた旗艦店「CLUB N」は、瞬く間に夜の街の象徴的な存在となった。
従来のキャバクラ経営の枠組みに囚われない革新的な手法と、徹底したブランディング。水商売の世界に新風を吹き込んだ「CLUB N」は、連日連夜の大盛況を誇り、彼女の名声を不動のものにした。しかし、その急速な拡大の裏には、急成長する組織特有の歪みとリスクが潜んでいた。一時代の頂点を極めた経験は、現在の彼女にとって最大の財産であり、同時に最も重い教訓となっている。