高橋成美の名が世界に響き渡る最大のきっかけとなったのが、カナダ出身のマーヴィン・トランとのパートナーシップだ。2008年にコンビを結成すると、二人は国際スケート連盟が主催する数々のジュニア大会で瞬く間に頭角を現した。
圧巻だったのは、2012年にフランス・ニースで開催された世界フィギュアスケート選手権だ。息をのむようなダイナミックなスロージャンプと息の合ったエレメンツを披露し、日本ペア史上初となる価値ある銅メダルを獲得。世界中を驚嘆させた。しかし、その輝かしい偉業の舞台裏では、過酷な現実が蠢いていた。オリンピック出場権を巡る国籍問題だ。日本スケート連盟も含めた支援の模索が続いたものの事態は難航し、最終的に二人は別々の道を歩むという苦渋の決断を下すこととなった。