今年の全国ツアー会場に一歩足を踏み入れれば、世間の心配がいかに無用であるかが一瞬で理解できる。暗転したステージに彼が姿を現すと、会場の空気は一変する。照明に照らし出された身体は確かに細身で、肋骨のラインが浮かび上がることもある。だが、1曲目のイントロが響いた瞬間、その肉体から放たれる圧倒的なエネルギーに誰もが息を呑む。
曲の間中、ステージの端から端までを全力でダッシュし、高く跳びはね、全身を激しくしならせて歌い上げる。ライブ後半になっても呼吸の乱れを見せず、声量は増すばかりだ。そこにあるのは「病弱な姿」などではなく、極限まで研ぎ澄まされた表現者の凄みである。