異変が表面化したのは、初夏の気配が漂い始めた数日前のことだった。対象の住居からは数日前から窓が締め切られた状態が続き、周囲にはわずかに異様な臭気が漂い始めていたという。親族からの「数日間、本人と連絡が取れない」という通報を受け、警察官が現地へ駆けつけたことで、事態は一気に暗転した。
室内捜索によって発見された遺体は、発見当時、死後一定時間が経過しており、目立った外傷や圧迫痕が確認された。部屋の鍵は施錠されていたものの、室内には荒らされた痕跡が僅かに残されており、第三者が介在した形跡が濃厚と判断された。警察はただちに殺人・死体遺棄事件として特別捜査本部を設置。現場周辺の封鎖と同時に、大規模な聞き込み捜査へと踏み切った。