看板メニューである「うな重」が運ばれてくると、蓋を開けた瞬間に艶やかな飴色の輝きが目に飛び込んでくる。川豊が守り続ける最大の財産は、創業当時から絶やすことなく継ぎ足されてきた秘伝のタレだ。甘すぎず辛すぎず、鰻本来の力強い旨味と上質な脂を引き立てる絶妙な塩梅に仕上がっている。
身は驚くほどふっくらと柔らかく、口の中でほろりとほどける。しっかり蒸しを入れる江戸前仕込みでありながら、職人の炭火コントロールによって皮目は香ばしく焼き上げられている。タレが染みた炊きたてのご飯とともに頬張れば、創業100余年の歴史が凝縮された深いコクが口いっぱいに広がる。