この前代未聞のシステムを築き上げたのが、創業者である長谷川久夫氏だ。運営母体である株式会社みずほを率い、彼が挑んだのは旧態依然とした流通システムの解体だった。
かつて農家は、自ら汗を流して育てた作物の価格を決めることすらできなかった。市場の相場に翻弄され、豊作になれば価格が暴落して廃棄を余儀なくされる。長谷川氏はその理不尽を打破すべく、生産者自身が誇りを持って価格を決定できる「農業流通業」としての直売所モデルを打ち立てた。価格決定権を農家に委ねる代わりに、求めるのは妥協のないプロ意識。甘えを一切排除した共存共栄の思想が、荒野だった売り場を全国屈指の聖地へと押し上げた。