日本人の感覚で最も見落とされがちなのが、海外での危険性のレベルです。銃社会であるアメリカをはじめ、治安情勢の厳しい国々において中指を立てる行為は、自ら命を危険に晒す自殺行為に他なりません。
特に顕著なのが、運転中のトラブル(ロードレイジ)に起因する事件です。現地警察の捜査報告や米国の地元メディアが報じる事例では、割り込みや車線変更の口論の末に「相手ドライバーに向けて中指を立てた直後、拳銃でフロントガラス越しに撃ち抜かれた」という凄惨な事件が後を絶ちません。全米自動車協会(AAA)交通安全財団の調査報告書でも、運転中の攻撃的ジェスチャーが激高した相手からの物理的攻撃を誘発する最大の引き金として警告されています。
さらに、厳格な法規範を持つ中東諸国では、法的な即時拘束のリスクに直面します。例えばアラブ首長国連邦(UAE・ドバイ)では、公の場や運転中に中指を立てる行為は刑法上の重大犯罪です。外国人観光客であっても現地警察に通報されれば即座に逮捕され、高額な罰金刑、一定期間の禁錮刑、さらには国外強制退去処分が下されます。旅行先での一時の感情的な行動が、取り返しのつかない国際トラブルへ直結します。