なぜ駅員はマイクを口につけるのか?独特アナウンスの真相と最新技術

なぜ駅員はマイクを口につけるのか?独特アナウンスの真相と最新技術

なぜ駅員はマイクを口につけるのか?独特アナウンスの真相と最新技術の背景について、専門知識を取りまとめてご紹介します。

同じ鉄道の案内放送であっても、ホーム上で案内を行う駅員と、列車内からアナウンスを行う車掌とでは、使用されるマイクロホンの形態や音響要件が大きく異なります。それぞれの現場環境に適応して進化した機材の違いを比較整理したものが以下のデータです。

比較項目駅員用ワイヤレスマイク車掌用車内放送マイク最新型自動案内システム使用機器の形態専用ワイヤレス型(ハンドヘルド/タイピン)有線カールコード型(乗務員室据置)車上/駅構内統合型デジタル音源指向特性・方式超単一指向性(ハイパーカーディオイド)差動型(近接ノイズキャンセル式)完全データ送信(AI音声合成含む)主たる騒音対策超低ゲイン設定+密着入力+帯域制限背面の逆位相音を打ち消す物理構造構内暗騒音に追従する自動音量調整(AVC)主要メーカー例タムラ製作所、TOA、パナソニック八幡電気産業、森尾電機 ほか三菱電機、日立製作所、東芝 ほか運用の目的乗降誘導、危険防止、突発的トラブル対応行先案内、ドア開閉合図、次駅案内定時運行支援、多言語インバウンド案内

乗務員室にある車掌マイクは、電車の揺れや走行振動に耐えられるよう頑丈なカールコード接続の有線タイプが主流です。マイクの裏側に小さな孔が開いた「差動トランスデューサー」構造を採用しているものが多く、少し離れた走行音などの環境音は表裏から均等に入って互いに打ち消し合い、至近距離から吹き込まれる車掌の声だけが拾われる仕組みになっています。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。