超満員の有明アリーナを包んだ熱気は、今も語り継がれている。世界中のボクシングファンが見つめる中、リング上では目まぐるしいポジショニングの応酬が繰り広げられていた。長身を活かしたアウトボクシングを得意とする王者に、どのように懐へ入るか。それが最大のテーマだった。
蓋を開けてみれば、プレッシャーをかけたのは挑戦者の側だった。間合いを詰める一瞬のスピード、そして相手のパンチを紙一重でかわすボディワーク。距離の制空権を奪われたアウトボクサーは、自らの得意な間合いを完全に失い、徐々に追い詰められていった。