日教組の活動に対して一般市民が抱く印象は、極めて二極化している。その最たる要因が、学校現場で実践されてきた平和学習や主権者教育をめぐる評価だ。
肯定的な視座に立てば、アジア諸国への加害責任を含めた歴史の直視や、憲法第9条の平和理念を教える平和教育は、民主的な市民を育てる上で不可欠な営みと評価される。地域の歴史や社会的マイノリティに焦点を当てた人権教育は、子どもたちに批判的思考力と他者への共感を育んできたという自負がある。
しかし、批判的な視座からは厳しい指弾が飛ぶ。いわゆる「自虐史観」の押し付けや、国旗・国歌(日の丸・君が代)に対する執拗な反対運動は、多くの保護者や保守層の不信感を招いた。式典での不起立問題などは、現場の教職員間や保護者との間に深い亀裂を生み、「子どもを政治的イデオロギーの道具にしている」という世論の反発を招く決定打となった。