環境規制を先導してきた欧州連合(EU)の動向が、世界の自動車産業の戦略を大きく塗り替えつつある。当初推し進めていた過度な全数BEV(電気自動車)化計画は、車両価格の高騰や充電インフラ整備の遅れによって足踏みを余儀なくされた。その結果、即効性のあるCO2削減策としてマイルドハイブリッドの価値が急浮上している。
高級車市場をリードするメルセデス・ベンツグループは、主要モデルのパワートレインへ48V電装システムを積極的に標準採用する方針を固めている。大排気量エンジンの上質なフィーリングを損なうことなく厳しい規制数値をクリアする手法として、目の肥えた顧客層から厚い信頼を得ている。
急激なルール変更に対しては、現場に即した柔軟性を持つメーカーが生き残る。単なる「EV一律化」という理想論から、内燃機関の熱効率極限化と電動補助を組み合わせる現実主義への転換が世界中で加速している。