1185年説が新常識となった現在も、歴史家たちの議論が完結したわけではない。実は、鎌倉幕府の「成立年」を巡っては、1180年の頼朝挙兵・東国支配確立説、1183年の東国支配権公認(寿永二年十月宣旨)説、さらには1190年の権大納言・右近衛大将就任説など、複数の有力説が存在する。幕府という制度は、ある特定の日に一夜にして完成したのではなく、段階的に構築されたグラデーション状のプロセスだったからだ。
日本史には、なお多くの歴史ミステリーが残されている。頼朝の死因をめぐる謎や、初期武士団における文書の改ざん問題、地方武士たちの生々しい権力闘争の実態など、新資料の発見によって従来の常識が覆る可能性は常に残されている。「いい箱」という新たな視点を得た今、私たちは教科書の文字をそのまま丸暗記するのではなく、歴史という動的なドラマを多角的に読み解く面白さの渦中にいるのだ。 (出典: いい 箱 作 ろう 鎌倉 幕府(Yahoo!ニュース))
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