女の業と魂の絶唱!一条ゆかり『プライド』結末が放つ衝撃の深層

女の業と魂の絶唱!一条ゆかり『プライド』結末が放つ衝撃の深層

女の業と魂の絶唱!一条ゆかり『プライド』結末が放つ衝撃の深層の特集記事をお届けします。専門的な知識がチェックできます。

『有閑倶楽部』や『砂の城』など、少女漫画界に数々の伝説を打ち立ててきた一条ゆかり。その長いキャリアの中でも、本作はひとつの到達点と呼ぶにふさわしい。事実、第11回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞した際も、その重厚な心理描写とエンターテインメントとしての完成度の高さが絶賛された。

当時の出版業界において、本格的なクラシック音楽、とりわけオペラを主題にした女性漫画のヒットは極めて異例だった。専門用語が飛び交い、イタリア歌曲やプッチーニの難曲がプロットの鍵を握る。しかし、一条の圧倒的なネーム構成力とドラマツルギーは、クラシックに馴染みのない読者をも熱狂の渦へと巻き込んだ。紙面からアリアの絶唱が聴こえてくるかのようなダイナミズムは、紙とインクの限界を超えていたと言っても過言ではない。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。