なぜ、これほど明白な医療過誤・医療事故が即座に止められなかったのか。内部検証委員会や関係者の証言によって浮かび上がったのは、医療事故そのもの以上に根深い病院組織の腐敗と隠蔽体質だった。
医療安全管理室への報告遅延、被害患者への虚偽の説明、さらにはカルテの書き換え疑惑まで浮上した。医師個人の技術不足や不誠実さだけでなく、「科の存続」や「手術実績の確保」を優先した病院経営陣の怠慢が、患者を危険に晒し続ける結果を生んだ。自浄作用を失った組織の中で、良心的な医師が孤立し、内部告発という手段を選ばざるを得なかった背景には、こうした絶望的な構造が存在していた。