もちろん、すべてが順風満帆だったわけではない。話題を集めるにつれ、急速なテーマパーク化や商業化を求める声も一部から上がった。しかし、現場を守る人々が出した答えは「安易な拡大をしない」ことだった。入場制限や事前予約制の徹底により、空間の品位と静寂を保ち続けている。
「一度崩れた雰囲気を取り戻すのは不可能に近い」と語る関係者の言葉には、目先の利益に惑わされない固い意志が滲む。文化財の保全と経済活動のバランスをいかに取るかという難題に対し、この地が見せたブレない姿勢は、全国の類似施設にとっても貴重なケーススタディとなっている。