ベガパンクの研究所に遺された巨体な「記憶の肉球」。そこへ触れたジュエリー・ボニーが目撃したのは、絶望的な運命の中でも自分への慈愛を失わなかった父の姿だった。
どれほど身体が機械化され、人間としての意識が削ぎ落とされていこうとも、くまの胸の奥底には常にボニーの笑顔があった。10歳の誕生日を迎える娘へ送られた言葉、そして最期に遺されたメッセージ。それらはすべて、父親として彼女の幸せだけを祈り続けた純粋な愛の証明である。
肉体を奪われ、尊厳を弄ばれながらも、くまの魂は決して世界政府に屈しなかった。その深い愛情に触れたボニーの涙は、エッグヘッド編における最も感情的で胸を打つシーンとして読者の心に深く刻まれている。