本作のサウンドトラックを語る上で、澤野弘之の存在を外すことはできない。『機動戦士ガンダムUC』でも圧倒的なスコアを手掛けた彼だが、本作ではさらに尖った極上の映画音楽を作り上げた。電子音と重厚な生弦、そしてヴォーカルパートを絶妙に織り交ぜるサウンドスタイルは健在だが、空間の「余白」を活かしたアプローチが際立つ。
挿入歌「Möbius」やメインテーマにおける重低音の唸りは、劇場の大響響システムで最大の効果を発揮するよう綿密に計算されている。静寂から突如として押し寄せる音圧のダイナミズム。それは登場人物たちが背負う運命の重みであり、聴く者の身体を物理的に揺さぶる。ハリウッド映画の劇伴にも匹敵するクオリティと評価される所以だ。