外食大手のファミリーレストランや大手ホテルチェーンでは、度を越したクレームに対して「カスタマー・ブラックリスト」を共有する動きが本格化している。以前なら平謝りで穏便に済ませていた案件でも、従業員に対する精神的苦痛が認められれば、弁護士を通じて出入り禁止(出禁)通知を正式に送付する例が増加した。
「顧客を失うリスクよりも、貴重な労働力を失うリスクの方がはるかに大きい」。ある外食企業の人事担当者はそう断言する。慢性的な人手不足に悩む企業にとって、理不尽な顧客を一人排除することで職場環境が守られ、結果として求人応募率が上がるという明確な経済的メリットが浮き彫りになってきたのだ。