日本の置かれた安全保障環境が複雑化するなか、防衛大学校に寄せられる社会的期待はかつてないほど高まっている。防衛省のトップを務める中谷元防衛相は、サイバー領域や宇宙、AIといった新たな戦闘ドメインへの対応と、高度な国際感覚を備えたリーダー育成の緊急性を繰り返し強調している。
また、自衛隊の元幹部であり防衛政策に精通する佐藤正久参議院議員も、現場の指揮官に要求される判断力の高度化を指摘する。現代の幹部自衛官は、単に部隊を指揮するだけでなく、国内の防衛産業・安全保障基盤を理解し、多国間共同訓練などで海外の軍高官と対等に渡り合う国際性が求められているのだ。
このような背景から、防衛大学校の入試でも単なる暗記型の学力ではなく、社会課題に対する深い洞察力や、緊迫した状況下での人間性・適性が強く評価されるようになっている。