レインボーベビー(Rainbow Baby)という言葉は、欧米の当事者コミュニティから自然発生的に広まりました。その背景には、極めて象徴的で美しい比喩が込められています。
自然界において、虹は激しい嵐が去った後に空にかかります。ここでの「嵐」とは、流産、死産、子宮外妊娠、あるいは生後まもない赤ちゃんの死という、家族の心を引き裂くような過酷な喪失体験を指しています。そして「虹」は、嵐が完全に消滅したことを意味するのではなく、暗闇の中に現れた光と希望の美しさを表しているのです。
取材で出会った助産師は、「虹が出たからといって、激しかった嵐の事実や爪痕が消えるわけではありません。同じように、次の子が生まれたからといって、亡くなった赤ちゃんの存在が上書きされるわけではないのです」と語ります。レインボーベビーとは、過去の痛みを否定せず、その悲しみを抱きしめながら迎える奇跡の命に対する、敬意と慈しみを込めた呼称です。