あどけなさの残る笑顔と毒舌を交えた独特のキャラクターで、一躍お茶の間の人気者となった夢屋まさる氏。所属事務所であるサンミュージックプロダクションでも期待の若手として注目を集め、数々のバラエティ番組に引っ張りだこの日々を送っていた。だが、過熱するブームの渦中にあって、彼は現役の慶應義塾大学生というもう一つの顔を持ち合わせていた。
学業と芸能活動の両立は想像以上に過酷を極めた。過密スケジュールの中で消費されていく焦燥感や、自身が本当に生み出したい表現とのギャップに、人知れず苦悩を深めていたという。華やかな表舞台の魅力に流されることなく、自分の真の強みをどこでどう活かすべきか。客観的な視点で自身の将来を分析する冷静さが、当時の彼にはすでに備わっていた。