インターネットの検索候補や掲示板などで目にする「広島国際大学呉キャンパス閉鎖の噂」は、果たして根拠のあるものなのでしょうか。この憶測の引き金となったのは、2020年4月に行われた薬学部の東広島キャンパスへの移転統合でした。
開設当初から呉キャンパスの看板学部の一つであった薬学部の移転理由は、多職種連携教育(IPE:Interprofessional Education)の抜本的強化にあります。医師以外の医療従事者がチームを組んで患者を支える現代医療において、薬学部・保健医療学部・総合リハビリテーション学部・健康科学部などを一つの拠点(東広島)に集約し、学部横断的な合同カンファレンスや共同研究を活発化させることが大学側の戦略的な狙いでした。
主要学部が東広島へ移ったことで「呉キャンパス自体が撤退・閉鎖するのではないか」という誤解が外部に生じましたが、これは明確な誤りです。呉市は呉共済病院や国立病院機構呉医療センターをはじめとする中核病院が多数集積する医療都市であり、広島国際大学のキャンパス再編の真相は「呉を看護・地域ケアの専門拠点として特化させ、東広島を総合医療・先端科学の拠点とする」という機能分担の明確化でした。