真相を辿るには、2000年代初頭のゲイビデオ業界まで時を戻す必要がある。このフレーズの出処は、映像制作会社COAT CORPORATIONが制作・販売した成人向けビデオ『真夏の夜の淫夢』内のワンシーンだ。劇中で出演者のひとり、通称「野獣先輩」と呼ばれる人物が発したセリフがこれである。作中では、睡眠薬が混入された飲料を相手に差し出す場面で発せられた。ショッキングでありながらどこかシュールな会話劇が、後のネットコミュニティに強烈なインパクトを残すこととなった。
映像作品としての本来の文脈は極めて限定的であった。しかし、その奇妙な間と言い回しの独特さが、アンダーグラウンドな閲覧者の記憶に深く刻み込まれた。フレーズ自体は極めて日常的でありながら、内包された意味の危険さというギャップ。この非日常的な緊張感こそが、後の拡散の原動力となったことは疑いようがない。