法律の世界は、大きく分けて「成文法(文字として制定された法規)」と「不文法(文章化されていない法規範)」の2つに分類されます。国会などの立法機関が所定の手続きを経て文章化した法律(日本国憲法、民法、刑法など)が成文法であるのに対し、人々の生活の中で自然発生したルールが法的効力を得たものが慣習法です。
成文法は条文として明確に記録されているため、誰が見ても内容を把握しやすいという「明確性」と「予測可能性」に優れています。一方の慣習法は、社会の実態や人々の価値観に極めて柔軟に適応してきた歴史を持ちます。
また、裁判所の判決の積み重ねによって形成される「判例法」も不文法の一種ですが、慣習法とは出自が異なります。判例法が裁判官による司法判断の蓄積であるのに対し、慣習法は市民社会や特定の共同体における行動様式そのものが源泉となっている点が本質的な違いです。