多くの創作物において、裏切り者は冷酷に処分されるか、あるいは自己犠牲による死をもって償うことが多い。しかし、原作者の堀越耕平氏が描いた結末は違った。デクをはじめとする1年A組の生徒たちは、彼を糾弾するのではなく、「一緒に戦おう」と手を差し伸べたのだ。このシーンこそが、本作のテーマである「全員がヒーローになる物語」の本質を表している。
罪を憎んで人を憎まず。口で言うのは容易いが、命を脅かされた当事者たちがそれを受け入れるのは奇跡に近い。彼らが示した寛容さは、分断と不寛容が極まる現代社会に対する、強力なメッセージとして機能している。