過去には寝台型バスの導入に向けた規制緩和の議論や実証実験の試みも行われてきました。2010年代後半から経済特区や官民連携の検討会において、移動中の快適性向上とインバウンド需要の取り込みを目的とした「高速バス寝台化」の検討が持ち上がった経緯があります。
しかし、安全基準のクリアには航空機のファーストクラスや寝台特急のような厳格な衝撃吸収構造、あるいはカプセル状の強固なシェル構造が必要となり、車両1台あたりの重量が大幅に増加してしまいます。さらに、座席数を通常の半分以下に減らさざるを得ないため、運賃設定を高額にしなければ採算が合わないビジネスモデルの限界も浮き彫りとなりました。
2026年現在も自動運転技術や先進安全装置の進化と並行して規制見直しの議論は継続しているものの、一般利用者が手軽に乗れる料金帯でのフルフラットバス運行は依然として実現に至っていません。