SNSや知恵袋などのコミュニティを調査すると、「炭水化物を完全に抜いて1ヶ月で5kg痩せたが、通常の食事に戻した瞬間に7kg激太りした」「脂質を徹底排除したら髪が抜け始め、常に過食衝動と闘っている」といった悲痛な告白が溢れています。こうした現象の裏には、生化学的な防衛反応と行動心理学的な反動が存在します。
炭水化物を急激に抜いた初期の体重減少の正体は、体脂肪の減少ではなく「水分と筋肉の喪失」に過ぎません。体内のグリコーゲン(糖質)は1gにつき約3gの水分と結合して蓄えられているため、糖質を枯渇させると体内の水分が一気に排出され、見かけ上の体重が急激に落ちます。しかし、エネルギー不足に直面した身体は、甲状腺ホルモンやレプチン(満腹ホルモン)の分泌を抑制し、省エネモードへと移行します。
さらに心理面では、「〇〇を食べてはいけない」という過度な認知的制約がストレスホルモンであるコルチゾールを分泌させ、脳の報酬系を暴走させます。結果として、ある日突然タガが外れたように菓子パンや揚げ物を貪り食う「リバウンド発作」へと直結するのです。三大栄養素のバランスを無視した極端なアプローチは、生理的にも心理的にも継続不能な破綻モデルです。