航空業界において、グランドスタッフは入社後3年以内の離職率が約30〜40%前後に達するケースも見られます。その決定的な離職理由として現場から挙げられるのは、主に次の3点です。
1. 昼夜逆転する不規則なシフト勤務体系
空港のグランドスタッフは「4勤2休」や「変形労働時間制」を基本としています。たとえば「早番(朝5:00出社〜14:00退社)」「遅番(15:00出社〜24:00退社)」「宿直(ナイトシフト)」が目まぐるしく入れ替わり、体内時計を合わせるのが極めて困難です。始発電車が動いていない時間帯は専用送迎バスやタクシーが配車されますが、睡眠不足や自律神経の乱れから体調を崩して退職を決意する若手は少なくありません。
2. 激甚化するイレギュラー対応とクレーム処理
台風や降雪、システム障害などの突発事象が発生すると、現場は一気に修羅場と化します。どれだけ丁寧に対応しても、搭乗できない乗客の怒りの矛先はカウンターのグランドスタッフに向かいます。社会学者のアーリー・ホックシールドが提唱した「感情労働(自身の感情を押し殺し、相手に合わせた表情や態度を取り続ける労働)」の負荷が極めて高く、メンタル面の疲弊につながりやすい構造があります。
3. 重労働とスピード要求による身体的負担
ヒールのあるパンプスを履いて硬い大理石フロアを1日数キロ疾走し、1個あたり20〜30kgあるスーツケースの持ち上げ補助を行うため、腰痛や外反母趾に悩まされるスタッフが多数存在します。