SNSや大手受験生コミュニティ、進学指導塾の現場で集積された実際の利用者の声を精査すると、本書の強みと弱点が鮮明に浮かび上がります。
好意的な意見として最も多いのが、「多義語の意味のつながりが自然に頭に入り、丸暗記の苦痛から解放された」という評価です。例えば「めざまし」という単語に対して「目が覚めるほどすばらしい」というプラスの意味と「目が覚めるほど気にくわない(あきれる)」というマイナスの意味の両方が掲載されていますが、本書は「目が覚めるほど刺激が強い」という原義を図解することで、なぜ相反する2つの訳が生まれるのかを明快に説明しています。難関大の入試問題で文脈判断が問われた際、この原義理解が絶大な威力を発揮したという合格体験談が多数寄せられています。
一方で、慎重な意見として挙げられるのが「情報量が多すぎて1周目を終えるのに挫折しそうになった」という声です。本書は単語だけでなく、古典常識、和歌の修辞法、文学史、巻末の付録に至るまで非常に濃密に作られています。そのため、辞書のようにすべての情報を最初から完璧に覚えようとすると、途中で息切れを起こすリスクがあります。効率的に使いこなすためには、「何周目でどの深さまで覚えるか」という戦略的な割り切りが不可欠です。