デビューから爆発的なヒットを連発したCOMPLEXでしたが、その活動は長くは続きませんでした。1990年11月8日の東京ドーム公演をもって、わずか1年11ヶ月で活動休止(事実上の解散)へと至った背景には、メディアで激しく報じられた「メンバー不仲説の真相」が存在します。
活動休止の最大の理由は、互いの音楽的アイデンティティと主導権の激突でした。布袋寅泰は緻密なサウンドプロデュースとアレンジを追求するタイプである一方、吉川晃司はライブパフォーマンスの肉体性とストレートなエネルギーを重視するタイプ。レコーディングが進むにつれ、楽曲の方向性やプロデュース方針を巡って激しい議論が交わされ、時には殴り合い寸前の緊張関係に発展したと後に本人たちも語っています。
妥協を許さない天才同士だったからこそ、ユニットという枠組みの中で互いのエゴが飽和状態に達してしまった結果の決断でした。しかし、この活動休止は決して憎しみ合いによる決裂ではなく、「このままではお互いを壊してしまう」というプロフェッショナルとしての限界点だったと言えます。