広島のラーメンシーンといえば、長らく戦後復興の記憶を宿す「小鳥系」をはじめとした醤油豚骨や、激辛つけ麺、汁なし担担麺が語られてきました。その潮流の中に、本格的な博多系シルキー豚骨を現代的なダイニング空間と高水準の接客を伴って提示し、市場のパラダイムを塗り替えたのが「ラーメン我馬」です。
三篠本店が創業26周年を迎えた2026年現在も特別な熱量を放ち続ける最大の要因は、「一昼夜かけて煮出した濃厚豚骨スープのブレなき鮮度管理」と、セントラルキッチン化が進む外食産業において本店ならではの現場調理の緊張感を維持している点にあります。豚頭骨やゲンコツの部位ごとに火入れと抽出の時間を細分化し、骨の髄から抽出されるゼラチン質と脂泡(しほう)を極限まで乳化させたスープは、臭みが皆無でありながら圧倒的なボディ感を誇ります。
取材関係者の証言によると、三篠本店の厨房では毎朝の温度・湿度に応じた微細な火加減の再調整が徹底されており、カウンター越しに立ち上る湯気と職人の所作そのものが、来店客への強い心理的付加価値として機能しています。単なる空腹を満たす場を超え、「我馬の原風景を味わう儀式」として機能していることが、リピート率を高止まりさせている決定打です。