現在でこそ「奈緒」の名で親しまれていますが、デビュー当初から2017年春までは「本田なお」という芸名で活動していました。なぜ彼女は、一定の知名度を得ていた旧芸名を捨て、シンプルな本名の下の名前へと改名したのでしょうか。
転機となったのは20歳での本格的な上京でした。「女優として勝負するなら東京へ行くべきだ」と決意したものの、当初は母親から猛反対を受けました。しかし、脚本家・野島伸司氏が総合監修を務める俳優養成スクール「ポーラスター東京ジャパン」の特待生オーディションに見事合格したことで、退路を断って単身上京を果たします。
その際、所属事務所の移籍とともに改名を決断した理由について、奈緒本人は過去の特番インタビューや手記において次のように語っています。
「『奈緒』という名前は、私が生まれてすぐに亡くなった父が、たくさんの愛情を込めて付けてくれた大切な名前です。父が遺してくれたこの名前一本で勝負し、天国の父にも自分の活躍を届けたい」
芸能界という荒波に身を投じるにあたり、父から授かった本名「奈緒」を名乗ることは、彼女にとって自身のルーツを背負い、一生を演技に捧げるという不退転の決意表明だったのです。