銀行と信用金庫を区別する上で、最も根幹となるのが「組織の目的」と「根拠法」の違いです。この基本構造を理解していなければ、なぜ窓口の対応や融資姿勢が異なるのかという疑問を本質的に解消することはできません。
銀行は「銀行法」に基づいて設立された株式会社(営利法人)です。主なステークホルダーは株主であり、株主価値の最大化、すなわち利益を追求することが至上命題となります。そのため、取引先は大企業から中小企業、個人まで幅広く、日本全国あるいは海外への展開も法的な制限を受けません。
対する信用金庫は「信用金庫法」に基づく協同組織の金融機関(非営利法人)です。会員同士の助け合い(相互扶助)を理念として掲げており、得られた利益は株主配当ではなく、地域社会への還元や会員へのサービス向上に充てられます。ここで押さえておきたい主要金融機関の制度的分類は以下の通りです。
しばしば混同される「信用金庫と信用組合の違い」についても触れておくと、信用金庫は預金業務に関して誰でも(非会員でも)利用できますが、信用組合は原則として組合員でなければ預金も融資も利用できません(例外規定を除く)。また、会員資格における企業規模の条件も、信用金庫が「従業員300人以下または資本金9億円以下」であるのに対し、信用組合は「従業員300人以下または資本金3億円以下(卸売業は100人・1億円、小売業は50人・5,000万円など)」と、より小規模な事業者に特化しています。