物語が終盤に差し掛かるにつれ、作中における「山賊」という存在の異質さも浮き彫りになってきた。『ONE PIECE』の世界は海賊と海軍が支配する大海原が舞台だが、ルフィの育ての親であるダダンを含め、要所要所で「山賊」が重要なキーパーソンとなっている。
ヒグマが所属していた山賊団のルーツや、彼らがなぜ世界政府の管轄が及びにくい山深き場所に身を置いていたのか。海賊でも海軍でもない「第三勢力」としての山賊のあり方は、世界政府樹立の歴史や「空白の100年」とも何らかの接点を持つのではないかという見解も存在する。第1話という物語の原点に配置されたヒグマの存在は、単なる日常の破壊者ではなく、この世界の多層的な構造を示す最初のシグナルだったのかもしれない。