現場のデザイナーや広報担当者が最も陥りがちなのが、「象イラスト著作権ルール」に関する根深い誤解です。「フリー素材と書いてあったから大丈夫」という認識は、現在の法務実務では通用しません。
取材した知的財産権専門の弁護士によると、2025年から2026年にかけて相談件数が急増しているのが「無料素材で作ったロゴマークの商標登録拒絶と損害賠償請求」です。多くのフリー素材サイトは、利用規約において「素材そのもの、または素材を主たる構成要素とした商標登録・意匠登録」を明確に禁止しています。象をモチーフにした愛らしいシンボルマークを作ったとしても、元データがフリー素材であれば、後から商標権侵害として素材サイト側から警告を受ける事態になりかねません。
さらに、昨今の画像生成AIの普及に伴い、無料素材サイト内に「他者の著作物を無断学習させたAIが出力した象のイラスト」が一般クリエイターの手によって投稿されているケースが報告されています。これを無自覚に商用印刷物に使用した場合、元ネタの著作権者から思わぬ抗議を受ける「巻き込まれ侵害」の懸念が存在します。安全性を担保するためには、素材の運営元が「クリエイターの身元確認を行っているか」「権利侵害時の補償条項(インデムニティ条項)を設けているか」を厳しくチェックする姿勢が不可欠です。