麻雀牌の山である牌山のうち、対局中にツモる山とは別に残される14枚の牌を「王牌(ワンパイ)」と呼びます。この王牌の端から3幢目(上段)にめくられているのが、全プレイヤー共通の懸賞牌を示す「ドラ表示牌」です。そして、そのドラ表示牌の真下(下段)に隠されている牌こそが、いわゆる「裏ドラ表示牌」、通称「裏ドラ」となります。
表ドラと裏ドラの違いは、情報の透明性とアガリ役の前提条件にあります。表ドラは局の開始時から全員に開示されており、誰でも自由に手牌へ組み込んで打点アップを狙えます。鳴き(ポン・チー・明槓)を入れて手牌を公開した状態でも問題なく加点対象です。
これに対し、裏ドラは局の進行中は誰も見ることができません。王牌の底に伏せられた不完全情報牌であり、その恩恵を享受できるのは厳しいリスクを背負って立直をかけたプレイヤーのみです。この「不可視性」と「限定特権」こそが、裏ドラを麻雀のゲーム性における象徴的なアクセントに仕立て上げています。