奈良の鹿のお辞儀行動については、大学や研究機関による動物行動学的なアプローチでも詳細な調査が行われています。
複数の研究結果によると、鹿せんべいを目の前に提示された鹿は、せんべいがすぐに手に入らない時間が長引くほど、お辞儀の頻度(回数)が急激に増加することが判明しています。さらに興味深いことに、頭を激しく何度も下げる個体ほど、直後に人間へ攻撃的なアプローチを取る確率が高いというデータも示されました。
観光客が「可愛いからもっと見たい」とシャッターチャンスを狙ってせんべいを引っ張ると、鹿の体内ではフラストレーションとストレス値が急上昇します。お辞儀のスピードが速くなったり、鼻息を荒くしたりするのは、攻撃直前の危険信号と捉えるのが動物行動学上の正確な見方です。