SNSやネット掲示板では、「麻布十番で〇〇を見た」「商店街のカフェに超大物がいた」といった目撃情報が日々投稿されています。こうしたネット上の熱狂に対し、現地のリアルな空気感はどうなっているのでしょうか。
実際に目撃談が多く集まるスポットには、明確な傾向があります。昼間であれば、老舗スーパーの「ナニワヤ」(自家製ローストビーフで有名)や成城石井、パティスリーやベーカリーでの買い出し風景。夜間であれば、雑居ビルの上階にひっそりと佇む看板のない隠れ家焼肉店や完全会員制の個室バーです。特に網代公園や一の橋公園周辺の路地裏には、表通りからは入口すら認識できないプライベート重視の飲食店が点在し、芸能人同士の会食や打ち合わせの拠点となっています。
地元で飲食店を営む店主は、取材に対してこう証言します。「ネット上では『芸能人が闊歩している』と大騒ぎされますが、実際の彼らは驚くほど周囲に溶け込んでいますよ。スウェットにキャップ姿でふらりと蕎麦を食べに来られますし、他のお客様も誰一人としてサインを求めたりスマートフォンを向けたりしません。そういう野暮な真似をしないのが十番の空気ですから、タレントさんも自然体で居られるのだと思います」。
ネット上の反応(Xや口コミサイト)を分析すると、「十番に行けば誰かしらに会える」という過度な期待を寄せる外部のファンと、「日常風景の一部として有名人を受け入れている」地元住人との間に、明らかな認識の温度差が見受けられます。過剰な騒ぎ立てを行わない成熟したコミュニティの存在こそが、目撃情報の多さと本人の住みやすさを両立させている実態が浮かび上がります。