カブトエビは、農業の現場において「除草剤の代わりになる益虫」として極めて高い評価を受けています。その優れた除草メカニズムには2つの理由があります。
第1に、泥の巻き上げによる遮光効果です。カブトエビは餌を探すために水田の底泥を絶えず激しく掘り返します。これにより水が常に濁った状態に保たれ、日光が水底に届かなくなるため、雑草の種子が光合成を行えず発芽・伸長が強力に抑制されます。
第2に、直接的な摂食行動です。雑食性であるカブトエビの餌・食べ物は、土中の有機物(デトリタス)、藻類、そして発芽したばかりの雑草の柔らかい芽です。さらに、蚊の幼虫であるボウフラや小型の害虫も貪欲に捕食するため、衛生環境の改善にも寄与します。
稲の苗自体は硬いため食害を受ける心配がなく、有機栽培や無農薬・減農薬栽培に取り組む農家にとっては、まさに自然がもたらす無償の除草パートナーとして大切に扱われています。