人間の身体において、欲求の波を作り出す主犯格の一つがテストステロンだ。この男性ホルモンの一種は骨肉の発達ややる気に関与する一方で、過剰な分泌や感度の上昇によって性的衝動を引き起こす。さらに、スマートフォンや刺激的なメディアによる持続的な視覚刺激が、脳内の報酬系を常に過熱させている現状も見逃せない。
最新の脳科学領域では、絶え間なく快楽物質が分泌される環境が衝動制御を困難にしていると指摘されている。そこで注目を集めているのがドーパミンデトックスというアプローチだ。短時間でも過剰なデジタル刺激から離れることで、脳のリセットを図る試みが世界中で行われている。急速に拡大するメンタルヘルス産業においても、欲求を無理に力ずくで押し込めるのではなく、脳の興奮回路を自然に鎮めるプログラムが次々と開発されている。