これほど強力な空間歪曲能力を持ちながら、なぜニャンゾル・ワイゾルは敗北したのか。その核心は、零番隊「大織守」である修多羅千手丸の戦術眼と、能力の根本的な盲点にありました。これがニャンゾル 死亡理由の真相です。
千手丸はニャンゾルの「飛来する攻撃を曲げる」特性を即座に見抜きました。刃や矢をいくら打ち込んでも曲げられるため、千手丸は彼に対して一切の攻撃行動を取らない素振りを見せます。そして、ニャンゾルが自身の能力を誇示して油断した一瞬の隙に、彼が着用していた白い外套に触れ、超高速で反物を織り直しました。
ニャンゾルにとって、自身が身につけている「衣服」は敵からの攻撃ではなく、自分の一部(あるいは守られている安全なもの)として認識されていました。「攻撃として認識していないもの」は紆余曲折の歪曲対象になりません。千手丸は仕立て直した外套の内側に無数の鋭利な針と刃を織り込み、合図とともに外套そのものがニャンゾルの肉体を内側から無数に刺し貫く罠を完成させていたのです。
外からの攻撃を100%遮断できても、内側で密着した衣服が凶器へと変貌する事態には一切対処できず、ニャンゾルは血煙を上げて絶命。これがニャンゾル・ワイゾルの最期となりました。