住宅の壁面に設置されるコンセントには、大きく分けて「埋込型」と「露出型」の2つの構造が存在します。新築住宅の居室で一般的に見られるのは、壁の内側にスイッチボックスを仕込み、プレート面だけを壁面とほぼフラットに収める埋込型コンセントです。見た目が極めて美しく、空間の一体感を損なわない反面、壁内部に十分な懐(空間)と、配線を通すための開口工事が欠かせません。
対する露出型コンセントは、壁の表面に器具本体を取り付け、電線も壁の外側から引き込む構造を持ちます。露出型コンセントの増設工事が重宝される最大の理由は、壁を壊せない構造的制約を軽微な作業で突破できる点にあります。特にRC(鉄筋コンクリート)構造のマンションの外周壁や、下地がコンクリート直貼り(GL工法など)になっている部屋では、埋込用の穴を開けることが構造上不可能です。こうした制約下で電源を新設する場合、露出型コンセントは極めて合理的な解決策となります。
また、近年の住環境トレンドとして、躯体現し(スケルトン)のインダストリアルデザインを好むリノベーションが増加しています。あえて金属製の配線管や露出スイッチボックスを壁面に走らせる意匠手法が定着したことも、露出型が単なる「消極的な妥協策」から「意図的な空間演出の選択肢」へと再評価される契機となりました。