弘道会の心臓部とされてきたのが、名古屋駅の西側エリアに位置する名古屋市中村区弘道会拠点です。かつては毎月の定例会や事始めの儀式になると、全国から高級セダンが列をなし、多数の組員が整列して出迎える異様な光景が繰り広げられていました。
しかし現在、名古屋弘道会本部事務所の周囲は異様な静けさに包まれています。愛知県公安委員会による愛知県警特定抗争指定の適用により、警戒区域内にある事務所の使用が全面的に禁じられているためです。暴対法に基づく使用制限命令下では、以下の行為が厳格に禁止され、違反すれば即座に逮捕されます。
- 組員が事務所に立ち入ること、または内部で待機すること。
- 警戒区域内において、5人以上の組員が集会を開くことや徘徊すること。
- 対立組織の組員や事務所周辺に近づき、示威行為を行うこと。
現地の現場周辺を歩くと、防犯カメラが張り巡らされた堅牢な建物の前には、愛知県警の機動隊車両や捜査車両が常時睨みを利かせています。近隣住民からも「かつてのような黒塗りの車列や組員の怒号を見かけることは完全になくなり、日常の平穏は戻った」という声が聞かれる一方で、「重苦しい監視カメラと警察の警備が日常化し、街の風景として異様さが残っている」という複雑な心境も語られています。
さらに愛知県内では、暴力追放愛知県民会議や弁護士会が主導する「暴力団事務所使用差止請求訴訟」や行政による買収撤去の動きが加速しており、物理的な拠点を維持すること自体が組織にとって莫大な維持コストと法的リスクを背負う要因となっています。