万事屋の坂田銀時が吉原へ赴いた動機は、晴太の「母に会いたい」という一心な願いからだった。しかし、事態が吉原の支配構造そのものと対峙する大闘争へと発展する中、銀時が目撃したのは日輪が灯し続けた希望の残り火だった。欲望と絶望が渦巻く暗闇の中で、誰の魂も汚させないという彼女の意志が、銀時の武士道と深く共鳴する。
銀時と鳳仙の死闘は、単なる能力バトルではない。他者を踏みにじる力への怒りと、日輪たちが繋いできた信念を守るための戦いだった。空知英秋が本作で描いたのは、痛みを抱えながらも前を向いて生きる泥臭い人間の美しさだ。日輪という揺るぎない軸が存在したからこそ、吉原炎上篇はシリーズを通じても屈指の傑作エピソードとして不動の評価を得ている。