「お腹を膨らませて息を吸う」という説明は、旧来の音楽教育において定番だった。しかしエイベックス・アーティストアカデミーをはじめとする先進的な育成機関では、呼吸の指導法がより解剖学的にアップデートされている。無理にお腹を突き出す動作は、かえって横隔膜の自然な動きを邪魔してしまうからだ。
真の腹式呼吸とは、息を吸うことではなく「息を吐ききった後に自然と空気が入ってくる脱力」を指す。背中側やあばら骨の下部が全方位に広がるイメージを持ち、下腹部を固めずに一定のスピードで息を送り出す。息のコントロールが身体に染み付けば、声の持久力は見違えるほど向上する。