「山本家」という名は、日本の格闘技界において特別な響きを持つ。ミュンヘン五輪代表の父・郁榮氏の英才教育を受け、姉の山本美憂、そして兄の山本"KID"徳郁とともに、幼少期からマットの上で転がり、汗を流してきた。それは単なる家族の絆を超えた、魂の共鳴とも呼ぶべき結びつきだった。
2018年に兄が早逝した際、彼女が背負った悲しみの深さは計り知れない。しかし、彼女は立ち止まらなかった。マットの上で咆哮した兄の野性味と、果敢に挑戦を続けた姉の背中。山本家の血統が教えてくれた「恐れずに前を向く姿勢」は、現役を退き指導者や母親となった現在の彼女の生き方にも、脈々と息づいている。