彼が築き上げた影響力の根底には、デジタル空間の行動心理学を冷徹に突いたSNS選挙戦略が存在する。YouTubeのレコメンド機能やX (旧Twitter)のトレンドアルゴリズムを徹底的に研究し、ユーザーの「怒り」や「陰謀論的好奇心」を刺激するコンテンツを最適化されたタイミングで投下するのだ。
この過激な情報流通は、急拡大するインターネットメディア産業の構造とも奇妙に共犯関係を結んでいる。再生回数が収益を生み、過激な言説ほどクリックを集める広告モデルの渦中において、切り抜き職人たちによる二次創作動画が無数に増殖。結果として、本人の手を離れたところで巨大な情報エコーチェンバーが形成され、真偽不明の言説が既成事実のように定着していく。