異形の天才・小林誠デザインの真髄|ジ・Oからヤマト2202の造形美

異形の天才・小林誠デザインの真髄|ジ・Oからヤマト2202の造形美

異形の天才・小林誠デザインの真髄|ジ・Oからヤマト2202の造形美の要点を丁寧に掘り下げてご紹介します。

小林誠氏のキャリアは、模型雑誌での鮮烈な作例発表から始まり、アニメーション業界のトップランナーへと駆け上がった極めて稀有な歩みを持っています。1980年代前半、月刊『ホビージャパン』や『モデルグラフィックス』誌上で発表されたスクラッチビルド作品群は、当時のモデラーたちに決定的なパラダイムシフトをもたらしました。

その後、サンライズ制作の『機動戦士Ζガンダム』に招聘され、ラスボス機体である「PMX-003 ジ・O」や「バウンド・ドック」、初期稿として名高い「マラサイ」などのメカデザインを担当。従来の直線主体のモビルスーツ像を覆すグラマラスで重厚なフォルムは、ガンダム史における造形革命となりました。さらに『機動戦士ガンダムΖΖ』でのコンセプトデザイン提供を経て、1988年には自ら原作・監督・メカデザインを手掛けたOVA『ドラゴンズヘブン』を世に放ちます。人間と心を通わせる巨大自律型ロボット「エルム」の無骨ながらもどこか哀愁漂うシルエットは、今なおカルト的な人気を誇ります。

2000年代以降も『LAST EXILE』や『スチームボーイ』、そして『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』で副監督・メカニカルデザインを務めるなど、常に第一線でその手腕を発揮し続けています。

代表作品名担当領域・主なデザイン造形・デザインの特徴業界・ファンへの影響度機動戦士Ζガンダム(1985年)ジ・O、バウンド・ドック、マラサイ原案、ガザC重装甲・高機動を両立させた量塊感とスカート内部の隠し腕ギミックガンダム界の敵メカ概念を再定義。ガレージキット界隈で爆発的ブームを創出機動戦士ガンダムΖΖ(1986年)ZZガンダム原案デザイン、強化型ZZ、クィン・マンサ構想極太のビームキャノンや過剰なまでの火力・推進器ユニットの集積「近藤和久×小林誠」ラインのコミカライズや外伝作品のビジュアル基盤を確立ドラゴンズヘブン(1988年)原作、監督、メカニックデザイン、脚本(エルム等)AFV的泥臭さと古代遺跡・神話的ダークファンタジーの完全融合世界中のメカデザイナーやコンセプトアーティストに影響を与える不朽の名作宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち(2017年)副監督、メカニカルデザイン(アンドロメダ級、主力戦艦等)超高密度なディテールと巨大感、光と影を強調した絵画的陰影演出精密緻密なハイディテールCGとアナログ的重厚感が融合し新たな映像体験を提供
小林 直樹
著者

小林 直樹

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