にほんごであそぼ恋そめしの現在と神曲の秘密を徹底解剖

にほんごであそぼ恋そめしの現在と神曲の秘密を徹底解剖

にほんごであそぼ恋そめしの現在と神曲の秘密を徹底解剖に関する深掘り記事を分かりやすく解説します。関心のある方は必見です。

『恋そめし』が子ども向け番組の枠組みを大きく超えて大人の心まで掴んだ最大の要因は、「百人一首」に収録された古典の恋歌を絶妙に散りばめた歌詞の構造にあります。

歌詞の中盤から後半にかけて登場するフレーズには、千年前の貴族たちが命がけで詠んだ激情の恋心がそのまま息づいています。

①「しのぶれど 色に出でにけり わが恋は 物や思ふと 人の問ふまで」(平兼盛)
心の中に秘めて隠していたつもりなのに、顔色や表情に出てしまっていたのだろうか。「誰かに恋をして物思いに耽っているのですか」と他人に尋ねられてしまうほどに、という切ない片思いの情景を描いています。

②「恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか」(壬生忠見)
恋をしているという私の噂が、もう早くも広まってしまった。誰にも知られないよう、心の中でひそかに思い始めたばかりだったのに……という、隠しきれない胸の鼓動を歌った名歌です。

平安時代の「天徳内裏歌合(てんとくだいりうたあわせ)」において火花を散らしたこの伝説の二首を、アップテンポでキャッチーなメロディの中に溶け込ませることで、「初恋の恥ずかしさ」と「あふれ出る恋心」を完璧に表現しています。古語の響きをそのまま現代のポップスへと昇華させた手法は、日本語教育の観点からも極めて秀逸な試みでした。

伊藤 翔太
著者

伊藤 翔太

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。